【アメリカ個人事業主】Quarterly Tax(予定納税)で慌てない|税金用貯金と帳簿記録のポイント

Quarterly Estimate Tax Preparation

Quarterly Estimated Tax(予定納税)の第2期支払い期日6月15日が近づいています。

「そういえばまだ払ってない…」「いくら払えばいいんだっけ?」と、ギリギリになって思い出した方もいるかもしれません。

Quarterly Estimated Taxはペナルティを避けるためだけでなく、税金用の資金を計画的に管理する習慣づくりのためでもあります。

この記事では、次のことをわかりやすく整理します。

この記事でわかること
  • 予定納税の支払い期日 2026年版
  • Estimated Tax の支払い金額の考え方
  • 毎月の収入から税金を確保しておく方法
  • 税金の支払いと帳簿の記録について
目次

Quarterly Estimated Tax の基本事項を確認

2026年 Quarterly Estimated Tax 支払い期日

Quarterly Estimated Taxは年に4回、以下の期日に支払います。

対象期間支払い期日
第1期(Q1)4月15日
第2期(Q2)6月15日
第3期(Q3)9月15日
第4期(Q4)2027年 1月15日

※ 期日が土日・祝日の場合は翌営業日が期日になります。IRS 公式サイト

連邦税(Federal)と州税(State)の両方を忘れずに

予定納税も連邦税(Federal)と州税(State)の2本立てで支払う必要があります。

毎回めんどうですが、一度流れを覚えてしまえばそれほど時間もかからなくなるので頑張っていきましょう!

州税(State Tax)の期日・計算方法・支払い方法は州によって異なるため、お住まいの州の税務局サイトで確認が必要です。

お住まいの州の税務局(Franchise Tax Board や Department of Revenue など)のウェブサイトで、その州の期日と期間・計算方法・支払い先を必ず確認しておきましょう。

この記事ではアメリカ国内共通の Federal Tax の Quarterly Estimated Taxについて説明しています。

Quarterly Estimated Taxの支払い方法:確実なオンライン払い

IRSでは Estimated Tax はオンライン、電話、IRS2Go、Form 1040-ES郵送などで支払い可能と案内されています。

最もシンプルで確実な支払い方法は、オンライン払いです。

連邦税(Federal)の主な支払い方法

  • IRS Direct Payirs.gov/payments から支払う方法です。銀行口座(Checking/Savings)からの振替で、手数料不要。
  • EFTPS(Electronic Federal Tax Payment System):事前登録が必要ですが、最大365日先まで予約支払いができます。

州税(State)は、お住まいの州の税務局ポータルから支払い可能です(例:California の場合は ftb.ca.gov)。

💡 支払いが完了したら、確認番号(Confirmation Number)や支払い完了画面をスクショまたはPDFで保存、印刷などして保管しておきましょう。後で照合が必要になったときに役立ちます。

いくら払えばいいの?Quarterly Estimated Taxの支払い額の考え方

支払い金額の計算方法は 「【アメリカの個人事業主】Quarterly Estimated Tax(予定納税)の期日・計算方法・支払い方法まとめ」で解説していますが、ここでは基本的な考え方を整理しておきます。

Safe Harbor(セーフハーバー)ルールとは

Safe Harbor とは、予定納税の不足によるペナルティを避けるための目安になるルールです。

一般的には、次のいずれかを満たしていれば、Estimated Tax の支払い不足による罰金(underpayment penalty)を避けられるとされています。

Safe Harborの条件(どちらか一方を満たせばOK)

  • 今年の税額の90%以上を、源泉徴収や予定納税で支払う
  • 昨年の税額の100%以上を支払う
    一定以上の所得($150,000超)の場合は、昨年の税額の110%以上の支払い

昨年の確定申告書(Form 1040)に記載された税額をもとに「昨年と同額 ÷ 4」を毎期支払う方法が、もっともシンプルな計算方法です。

詳細は収入・申告ステータスなどによっても変わるため、正確な金額は Form 1040-ES のワークシートで算出するか、会計士さん(CPA)に確認すると確実です。

毎月の収入から、税金を「先取り」しておく習慣

Quarterly Estimated Taxの支払いで「お金が足りない!」と慌てたことはありませんか?

多くの場合、税金用の資金を前もって確保していないことが原因です。

ビジネスが大きくなるにつれ、税額も大きくなり得ます。支払い期日が来てからお金を準備、という状況は避けたいですよね。

税金は必ず発生する支払いなので、毎月の収入から一定額を税金用の備えとして確保しておくと期日になって慌てることもなくなります。

税金用として先取りの目安は純利益の25〜30%

Sole Proprietor や Single-Member LLCの場合、純利益(売上 − 経費)に所得税(Income Tax)と自営業税(Self-Employment Tax)の両方がかかります。

あくまでざっくりした資金管理の目安ですが、Sole Proprietor や Single-Member LLC の方は、毎月の純利益の25〜30%程度を税金用に分けておくと安心です。

それぞれの税率を整理すると、次のようになります。
2026年5月現在の数字です。

① 自営業税 (Self-Employment Tax)

  • 税率:純利益の 約15.3%
  • 内訳:Social Security(12.4%)+ Medicare(2.9%)= 15.3% を、純利益の92.35%に対して計算
  • 従業員であれば雇用主が半分を負担してくれますが、自営業者は全額自己負担になります

② 連邦所得税(Federal Income Tax)

  • 収入額や申告ステータスによって税率が異なりますが、一般的な水準として10〜24%程度がかかるケースが多いです

③ 州所得税(State Income Tax)

  • 0% – 13.5%
  • 州によって税率が大きく異なります(所得税がゼロの州もあれば、カリフォルニアなど高税率の州もあります)

これらを考慮すると、「純利益の25〜30%を確保しておく」というのが一般的な目安です。

カリフォルニア、ニューヨーク、オレゴンなど州所得税の負担が比較的大きい州にお住まいの場合や、所得が高い場合は、さらに多めに確保しておいたほうが安心なケースもあります。

実際の税額は収入額、申告ステータス、控除、家族構成、州税などによって大きく変わります。正確な金額は会計士さん(CPA)などの税務専門家にご確認ください。

おすすめの方法:税金専用のSavings Accountを作る

毎月の収入が入ったら、そのうち 25〜30% を税金専用の貯蓄口座(Savings Account)などに移す習慣をつけましょう。

そして、そのお金は税金の支払い以外の目的では使わないと決めることが大切です。

この方法のメリット:

  • 税金として確保した分が目に見えてわかる
  • 支払い期日になって「お金がない」という事態を防げる
  • 実際に使えるお金の目安になる

「別口座を作るのが面倒」という場合は、税金用の金額を毎月メモしておくだけでも効果はあります。

まずはできるところから始めてみましょう。

今年の利益が去年と大きく変わる場合

ビジネスが成長して今年の収入が昨年より大幅に増えた、あるいは逆に収入が減った場合、Safe Harborの金額だけ支払っていては実際の税額との差が大きくなる可能性があります。

収入が大幅に増えた場合

昨年の税額を基準に支払いすることで、ペナルティを回避することは可能です。ですが、それでは最低額を払っているにすぎないので、実際の税額との大きな誤差が生じ、来年の確定申告時には一度に大きな追加納税(Tax Bill)が発生する可能性があります。

余裕があれば、今年の利益をもとにした見積もり金額(Form 1040-ESのワークシートを参考に)で多めに支払っておくか、税金専用の口座に差額を積み立てておくと安心です。

収入が大幅に減った場合

今年の収入が昨年より大幅に減少することが明らかな場合などは、昨年の税額が基準となるSafe Harbor ルールに縛られる必要はありません。

今年の予想税額の90%を支払えばよいので、今年の利益をもとに支払い額を再計算するとよいでしょう。

どちらのケースも、毎月の収支を把握していないと対応が難しくなります。 収入と経費の記録を月ごとにつけておくことが、こういったときの判断材料になります。

所得税・自営業税の支払いは「経費」ではない|帳簿への記録について

ここでは少し踏み込んで、Quarterly Estimated Taxの支払いと帳簿の関係を整理していきます。

今回の Quarterly Estimated Tax に含まれる Income Tax (所得税)、Self-Employment Tax(自営業税)は、Sales Tax や Payroll tax などとは経理上の扱いが異なるので注意が必要です。

所得税・自営業税が経費にならないのはなぜ?

Sole Proprietor(個人事業主)またはSingle-Member LLCの場合税務上あなた個人とビジネスは同一の存在として扱われます。

つまり、ビジネスが得た利益はそのままあなた個人の所得とみなされるため、その税金はビジネスの費用ではなく、あなた個人が所得に対して納める義務だとされています。

そのため、 Income Tax (所得税)、Self-Employment Tax(自営業税)Quarterly Estimated Tax(予定納税)は、いずれもビジネスの経費(Expense)にはなりません。

経費として計上してしまうと、ビジネスの純利益(Net Profit)が実際より低く見えてしまい、確定申告時の数字にズレが生じます。

利益の過少申告をしたことに気づかず、後から修正や説明が必要になる可能性もあるため注意が必要です。

帳簿での正しい記録方法:Owner’s Draw

個人事業主(Sole Proprietor またはSingle-Member LLC)のオーナーが Quarterly Estimated Taxを含む所得税、自営業税の支払いをビジネス用の口座から支払った場合、帳簿上は 事業主貸(Owner’s Draw )として記録し、経費とは別にします。

これらはすべて「オーナーが個人として引き出した」金額として扱われます。

Owner’s Draw(事業主貸/事業主引き出し)とは?

Owner’s Draw とは、個人事業主がビジネス口座から個人的な目的のためにお金を引き出したときに使う分類です。

所得税や自営業税は個人事業オーナーに課される税金であるため、Quarterly Estimated Tax をビジネス口座から支払った場合、帳簿上は Owner’s Draw として記録します。

Owner’s Draw は経費ではないので、損益計算書(P&L)には表示されません。会計上は貸借対照表に表示される Owner’s Equity(自己資本)に関係する項目です。

確定申告時に会計士さん(CPA)へ帳簿を渡す前に、この分類が正しくできているかを確認しておくと、スムーズにやりとりができます。

S-corpC-corp 等の場合は扱いが異なる場合があるので会計士さんに確認することをおすすめします。

まとめ|Quarterly Estimated Taxに上手に備えるために

Quarterly Taxで慌てないために、今日から意識しておきたいことをまとめます。

  1. 支払い期日をカレンダーに登録する
  2. 連邦税と州税、両方の支払い先と金額を確認する
  3. 毎月の純利益の25〜30%を税金専用口座へ移す
  4. Estimated Tax は期日前にオンラインで支払い
  5. 帳簿ではOwner’s Drawとして記録する

毎月の収支をきちんと把握できていると、これらの判断がずっと楽になります。

「今月いくら稼いで、いくら使って、いくら税金として確保すればいいか」が見えていると、Quarterly Estimated Taxの支払いも落ち着いて対応できますね!


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参照元:
IRS: Estimated Taxes

IRS: Payments

IRS: Form 1040-ES


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