1099-NECとは?出す人・もらう人がわかる|在米日本人の個人事業主の超入門

アメリカでビジネスを始めて、初めて迎える1月末。
Taxシーズンを控えて「何を準備したらいいんだろう?」とそわそわしてきた日本人の個人事業主さん、きっと少なくないと思います。

1099-NECは、フリーランサーやコントラクターなどとの取引がある多くの事業主さんに関係のある書類です。

この記事では、1099NECの概要を

  • 「1099-NECとは何なのか」
  • 「誰が関係しているのか」

などアメリカで事業をしている方が知っておくべき項目について整理してお伝えします。

私自身は、個人事業主として1099NECを受け取る側ですので、「受け取ったらどうするの?」という疑問についてもお答えします。

読み終わる頃には、「なるほど、そういう仕組みだったのか」と全体像がつかめていることと思います。

この記事でわかること
  • 1099-NECってなに?
  • 1099-NECを提出(発行)する人と受け取る人
  • 1099-NECの提出期限
Anshin Bookkeeping Blog について

この記事は、アメリカで個人事業主であり記帳代行をしている私の経験や調べた情報をもとに、「わかりにくい英語の情報を日本語でわかりやすく伝えること」を目的としています。

アメリカで頑張るフリーランサーさん、個人事業主さんのお役に立てれば幸いです。

目次

1099NECの概要

アメリカの税務申告を取り扱う IRSは、小規模事業者に対し、事業の内容に応じて特定の税務申告書を提出することを求めています。もしあなたのビジネスが事業のために独立請負業者(インディペンデント・コントラクター)へ報酬を支払っている場合、IRSフォーム1099-NECを作成・提出する必要があるかもしれません。

一方で、あなたが請負業者やフリーランサーとして働いている場合、確定申告の時期になると1099-NECフォームを受け取ることが多いでしょう。この1099-NECには、その事業者から税務年度中に受け取った報酬の合計額が記載されています。

1099-NECは「誰にいくら払ったか」をIRSに報告する書類

1099-NECの NECNonemployee Compensation(非従業員報酬) の略で、このフォームは「あなたのビジネスは、従業員ではない人に、いくら報酬を支払いましたか?」という情報を、IRS(米国の税務当局)に報告するための書類です。

IRS とは?

 IRS(Internal Revenue Service)
アメリカの課税と徴収を管轄している連邦政府機関で、確定申告など税金に関する書類はこちらに提出します。

フリーランサーや業務委託で働く人たちは、給料(W-2)のように税金が天引きされません。
そのためIRSは、「この人がどれくらい収入を得ているのか」を把握する必要があります。

そこで使われるのが、1099-NECです。

1099-NEC ここ大事!
  • 原則として、毎年 1099-NECの提出期限は1月31日です。(※年によって週末の関係でずれることがあります)
  • IRS支払いをした相手の両方に提出する必要があります。

このように、1099-NECは「従業員以外の人への支払いの事実を報告する」事務手続きのための書類なのです。

1099-NECを「出す人」と「もらう人」は誰?

個人事業主のなかには、1099-NECを提出する側の人もいれば、受け取る側の人も、また両方の人もいるかもしれません。

「自分は1099-NECを出す側なのか?もらう側なのか?」という点を確認してみましょう。

1099-NECを提出しなければいけない人:報酬を支払った側

次のような立場の人は、1099-NECを提出する側になる可能性があります。

  • フリーランサーを外注としてつかっているビジネスオーナーさん
  • 業務委託を外注したことがあるフリーランサーさん
  • 弁護士さんを雇ったビジネスオーナーさん
    など

たとえば、

  • デザイナーにロゴ制作を依頼した
  • ライターにブログ記事を外注した
  • 清掃やITサポートを業務委託した

こうした 「ビジネス目的のサービスへの支払い」 がある場合、1099-NECが関係してきます。

1099-NECをもらう人:業務委託として報酬を受け取った側

一方、1099-NECを 受け取る側 になるのは以下のような場合です。

  • フリーランサーとして仕事を請けている人
  • 個人事業主として働いている人
  • 従業員としてではなく、自分で請求書を出して報酬を受け取っている人
    などです

同じ人が「出す側」にも「もらう側」にもなるということも珍しくありません。

だからこそ、1099-NECについての仕組みを一度理解しておくことが大切です。

1099-NECの対象・対象外を整理しよう

1099-NECが必要なのは、全ての業務委託への支払いではなく、いくつかの基準を満たした場合のみであるというところがちょっと面倒なので理解が必要です。

どんな支払いが1099-NECの対象になるのでしょうか。

1099-NECの対象となる取引先

1099-NECが必要となる基本ルールは以下の通りです。

  • 非従業員への支払いであること
    (個人、個人事業主、パートナーシップ、または一部のLLC)
  • 事業目的の支払いであること
  • 2025年の年間支払い合計が $600 以上(※2026年からは$2000に変更)であること
  • 支払い方法が現金、小切手、銀行振込(ACH/Wire)であること

これらを全て満たす場合、1099-NECの発行が必要になります。

ですが、「対象外」のケースもあります。

たとえば、以下の場合は原則として1099-NECの対象外になります。

  • 法人(C-Corp / S-Corp)への支払い
  • サービスではなく、商品や物の購入の支払い
  • クレジットカードやPayPal等の決済サービス経由の支払い

特にクレジットカード決済については、決済会社側が別のフォームで報告する仕組みになっているため、
二重で1099-NECを出す必要はありません。

法人への支払いは通常対象外ですが、例外として弁護士への支払いは個人・法人を問わず1099-NECの対象になります。

1099-NECを出さないとどうなる?

「提出期限をすぎてしまった💦」
このような場合でも、できるだけ早く提出することが大切です。

提出期限(1月31日)をすぎてからの提出は、ペナルティが発生します

1月31日をすぎてからの提出は、通常 1件あたり 60ドル〜340ドルのペナルティが発生します。

遅延期間が長くなるほど金額が上がります。

意図的に提出しなかった場合の罰金はさらに高くなります。

IRSは支払者と受取人の両方のデータを照合しています。報告が遅れたり漏れたりすると、受取人が申告した額とIRSの記録に「ミスマッチ」が生じ、IRSからの問い合わせや監査の対象になるリスクが高まります。

このように、期限を過ぎてしまった場合でも、放置せずにできるだけ早く提出することが、罰金額を最小限に抑えるための最善策です。

1099-NEC 提出の方法

まず初めに大事なことは、支払い先の事業主さんの氏名、住所、納税者番号などの情報を入手しておくことです。

1099-NECの対象となる取引先からForm W-9(納税者番号の確認書)を取得してください。これがないと正確な申告ができません。

1月を待たず、外注をする時には報酬を支払う前に、まず Form W-9 に記入をしてもらっておくと良いですね。

W-9フォームの情報と年間の支払い額が算出できたら申告を行います。

1099-NECの提出(ファイリング)は、事業主自身で行うことも、CPA(公認会計士)やブックキーパーなどの専門家に依頼することも可能です。

フォーム自体は非常にシンプルであるため、多くの事業主が自分自身でソフトウェア等を使用して申告していますが、正確性の確保や時間の節約のために専門家へ依頼するケースも一般的です。

それぞれの主な特徴と、判断のポイントを以下にまとめました。

1. 事業主が自分で行う場合 (DIY)

すでに利用している会計ソフトやオンラインサービスを活用して、比較的安価に申告を済ませることができます。

会計・給与計算ソフトを使用

すでに QuickBooks、Gusto、ADPなどのツールをご利用であれば、 add-on 機能を利用して、電子申告(e-file)を行うことができます。

サードパーティの電子申告サービス

Tax1099や TaxBandits などの専用サイトを利用すると、1件あたり数ドルの安価な費用で申告が可能です。

IRSが提供する「Iris」というウェブサイトでは無料で申告できますが、事前の登録手続きが必要です。

これらのサービスを利用すると、費用を最小限に抑えられ(1件数ドル程度)郵送する手間なしに電子申告をすることができます。

2. CPAやブックキーパーに依頼

日常の記帳を外注している場合や、自分で行うのが不安な場合に適しています。

CPAやブックキーパーは、これまでの取引の履歴から対象となるベンダー(契約者)を特定したり、支払金額の集計やIRSへの申告、および契約者へのコピー送付のサポートを提供していることがあります。

これまでの取引をわかってくれているCPAやブックキーパーなら安心ですし、ご自分で集計やファイルをする手間が省け大きな時短になります。

通常 $5~$20程度の手間賃を請求されるのが一般的です。

3. 判断のポイント

どちらを選ぶべきかは、現在の状況によって異なります。

自力で十分なケース:
既にご自身で QuickBooks などの会計ソフトでベンダー情報を管理しており、対象人数が少ない場合。

依頼を検討すべきケース:
ベンダーの数が多く集計が複雑な場合。また、ファイリングにお時間をとられたくない場合。

1099-NECを「もらう側」として確認すること

私自身は、1099-NECを「もらう側」なのですが、そのとき、必ず確認するのは次の一点です。

1099-NECに記載された金額と、自分の売上記録が一致しているか

もし金額が合っていないと、

  • IRS側の記録
  • 自分の確定申告の数字

にズレが生じてしまいます。

ズレたまま確定申告をしてしまうとIRSからの監査の対象になるリスクが高まってしまうので注意しましょう。

いくつもの顧客から1099-NECを受け取るかたは、1件ずつ確認し全ての1099-NECを保管しておきましょう。

まとめ ~1099-NECで慌てない最大の予防策は「記帳」の習慣

毎年1月に「誰にいくら支払いしたっけ?」と昨年の支払いを慌ててまとめ直していては手間も時間もかかり、余計なストレスですよね。

1099-NECで毎年慌てない一番の方法は、日常の記帳を習慣化しておくことです。

  • 誰に
  • いつ
  • いくら
  • どのように支払ったか

この記録が日々きちんと整理されていれば、誰が1099-NECに当てはまるのかすぐに特定できます。

  • 支払う側 → 日頃から誰にいくら払ったのかを正確に管理しておくリスト
  • 受け取る側 → 顧客と売上の管理を日ごろから習慣化しておく


このようなことを普段から忘れずに行うことが大切です。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

少しでもあなたのビジネスのお役に立てれば幸いです!

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